血糖値の測定、記録
自己血糖測定
自己血糖測定とは、自分で血糖値を測定して、その血糖値を糖尿病の治療に役立てることです。 SMBG(Self Monitoring of Blood Glucose)と呼ぶこともあります。
自己血糖測定を行うために多数の簡易血糖測定器が使用されており、 現在も多くの機種が開発されています。自己血糖測定は、糖尿病の治療を進めていく上で、すべての患者さんに有用である可能性がありますが、 残念ながらインスリン使用中 の患者さんにしか健康保険が適用されません。インスリンを使用していない患者さんの場合は、自己負担になってしまいます。
自己血糖測定は必要か?
糖尿病の治療では、良い血糖値を保つことが必要です。
しかし、血糖値は一日のうちでも大きく変わります。 朝は血糖値が低くても、 食事の後に上がってしまうことがあります。 食事の内容でも血糖値は変わりますし、運動するかしないかでも変わります。
また、日によっても変わります。
さらに、人によって異なり、 空腹時に血糖値が高い人もいれば、空腹時は高くなくても、食後に高くなる人もいます。 空腹時の血糖値が高いか、食後の血糖値が高いかでは、使用するべき内服薬やインスリンも異なってきます。
一方、病院で、血糖の状態を知るために測定するのは 病院を受診したときの一回の血糖値と、HbA1cなどの血糖の平均値だけです。 もちろん、これだけでもある程度は血糖の動きを予測することはできます。
しかし、日常生活で複数回測定した血糖値にはとてもかないません。
特に、インスリン治療を行っている患者さんでは自己血糖測定が必要です。 その結果により、インスリン量を決めていくことになるからです。 インスリン治療中の糖尿病患者さんは、自己血糖測定にかかわる費用は、健康保険が適用されます。
インスリン治療を行っていない方でも、 自己血糖測定を行う意義は大きいと思います。 HbA1cが高いとき、一日のうちどの血糖値が高いかがわかるからです。 それにより、望ましい治療法が変わるからです。 現在のところ、インスリン治療していない患者さんは健康保険で、自己血糖測定を行うことはできません。 薬局などで、購入して行うことになります。
自己血糖測定を行うメリット、デメリット
メリット
- 食事内容と血糖値の関係がわかる。
- 運動と血糖値の関係がわかる。
- 自分の体調と血糖値の関係がわかる(病気になったときなどは血糖値が高くなります) 。
- 血糖値を測ることにより、食事、運動療法のモチベーションが上がる。
- 適切な内服薬を選択することができる。
- インスリン治療は受けておらず、 食事療法、運動療法だけの人や内服治療中の人でも、 自己血糖測定をすることにより、血糖コントロールの改善とQOL(quality of life)が改善したという報告がある。
デメリット
- 採血時に痛みがある
- お金がかかる (機種により異なりますが、自己血糖測定器に1-3万円、1回の血糖測定に約150円かかります)
血糖値の測り方
血糖測定機器
血糖値を測るには
- 血糖を測る機器
- 1に使うセンサー
- 穿刺器具(血液を出すための機械)
- 3に使う針
- アルコール綿
が必要になります。2,4,5は使い捨てになります。1-4に関しては、いろいろな会社から血糖を測定する機器が発売されています。 具体的な使い方については、 キッセイのフリースタイルフリーダムや バイエルのアセンシアブリーズ(PDFファイル)や 三和化学のグルテストエースなど、機種により多少使い方は異なりますが、簡単に言うと、指先、手のひらなどを針で刺して血液を出して、その血液で血糖値を測定します。
自費で血糖を測定すると、血糖を測定する器具が15,000円前後、2.4.5が血糖を一回測定するのに約150円かかります。
血糖値はいつ測ればよいのか?
毎食前、就寝前に血糖値を測定すると、一日の大まかな血糖の変動がわかり、インスリン量の調節や内服薬を選択するときに役に立つ情報 になります。 これに毎食後1−2時間後の血糖値を測るとさらに、血糖の変動が良くわかります。
しかし、毎日このすべての時点での血糖値を測定する必要 は、通常はありません。普段は朝食前、夕食前の血糖値を測定して、週に1−2回、毎食前、就寝前の血糖値を測ることで十分な場合も多いです。
ときどき、朝の血糖値しか測定していない方がいらっしゃいますが、これはもったいないやり方です。 せっかく、自己血糖測定を行っているのであれば、 ぜひ、1日の血糖値の変動がわかるような測り方をしましょう。朝の血糖値だけであれば、病院で測ることができます。
血糖を測るのが望ましい回数や時間は、人によっても異なりますし、糖尿病の治療法、血糖コントロール状況、血糖の安定ぐあいなどにより異なります。自分がどのような回数やタイミングで血糖値を測ったほうが良いかについては、 主治医に相談するようにしましょう。
血糖測定機器の紹介
血糖測定機器はさまざまなメーカから発売されています。いくつか紹介します。
フリースタイル、フリースタイルフラッシュ
どちらとも、血液量が少量で測定できるのが特徴です。簡易血糖測定器はコンパクトにできていて、持ち運びが楽な機種が多いですが、 フリースタイルフラッシュはそのなかでもかなりコンパクトです。持ち運んで手軽に測定するのには便利です。フリースタイルの方でも十分に コンパクトです。
上で説明した血糖測定に必要な物品の1-4はすべて含まれているセットです。このセットで血糖値を25回測定することができます。
それ以上測定するためには、〔消耗品〕キッセイ ランセット(25本入)と〔消耗品〕フリースタイルキッセイセンサー(25枚入)が必要になります。
このセットのほかに、消毒用のアルコール綿ステリコットα【アルコール殺菌・消毒綿】60包が必要になります。
フリースタイルフラッシュキッセイ初回セット(世界最小サイズの血糖測定器
上で説明した血糖測定に必要な物品の1-4はすべて含まれているセットです。このセットで血糖値を25回測定することができます。
それ以上測定するためには、〔消耗品〕キッセイ ランセット(25本入)と〔消耗品〕フリースタイルキッセイセンサー(25枚入)が必要になります。
このセットのほかに、消毒用のアルコール綿ステリコットα【アルコール殺菌・消毒綿】60包が必要になります。
アセンシアブリーズ
測定センサーを10回分まとめてセットできるのが特徴です。
上で説明した血糖測定に必要な物品の1-4はすべて含まれているセットです。センサーは30回測定分がありますが、針は5本しかついていません。
それ以上測定するためには、アセンシアブリーズの専用穿刺針アセンシアブリーズマイクロレットランセット30本入と血糖測定器専用試薬アセンシアブリーズオートディスクセンサー30回分が必要になります。
このセットのほかに、消毒用のアルコール綿ステリコットα【アルコール殺菌・消毒綿】60包が必要になります。
メーカーのホームページも参考にしてください。
ソフタック
これまで紹介した機種とは、ちょっと異なる機種です。この機種は、採血から血糖測定まで自動で行うことができます。腕に機械を当てることにより 針を刺し、血液を吸引し、血糖を測定するという一連の動作を自動でできます。
採血から血糖測定まで自動で行えるという利点のほかに、「腕で」測定できるという利点があります。指先、手掌からの採血を避けるために、この機種を使っている患者さんもいます。
難点は、機械が大きく、持ち運びがしにくいのと、他の機種と比べて 値段が高いことです。
消毒用のアルコール綿ステリコットα【アルコール殺菌・消毒綿】60包を別途購入すれば、このセットだけで血糖測定が可能です。
センサーは10回分しかついていないため、それ以上測定するためには、【医療器具】ソフタックランセット100本入(21G)消耗品と【医療器具】消耗品:ソフタック電極10枚入りが必要になります。
測った血糖値は記録を!
せっかく測った血糖値は、記録しておくようにしてください。記録するには、複写式の記録ノートがあります。インスリン治療中の患者さんは医療機関で記録のノートを受け取っていると思いますが、もし、受け取っていなければ、次回の診察時にもらうようにしましょう。
インスリン治療中でない患者さんも、医療機関で、血糖値を記録するためのノートをもらえると思います。
血糖値を測った後に、どうしてそのような血糖値になったか、考えることはいいことです。ただ測るだけでなく、どうして血糖値が高くなったのか、どうして血糖値が低くなったのかを考えていただいて、なにか思い当たる理由があれば、一緒に記録しておくと参考になると思います。
また、血糖値を測る前に、事前に血糖値を予測してみることもいいです。「今日は食べ過ぎたから血糖値はちょっと高いかな?」とか「今日はよく動いたから、血糖値は下がっているかな?」とか「この食事すると血糖値下がるんだよな」とかです。
せっかく、血糖値を測るのですから、有効に使いましょう!

